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80点の繰り返しがキー:CallConnectの開発で心がけていること

こんにちは、デザイナーの畠です。
この記事では、CallConnectの開発で意識していることとして、80点を繰り返すことの重要性についてお話します。

なぜ80点なのか?

100点のものを作るには、80点のものを作るのに比べてはるかに時間がかかります。
パレートの法則によると、80点の成果にするのに2割の時間がかかるとすれば、残りの20点を足すためには8割の時間がかかると言われています。 *1

80点くらいを目安にすることで、圧倒的に早くリリースできます。 そして、リリースが早ければ、当然ユーザーにその価値を早く提供することが可能です。

これは雑に開発するという意味ではありません。 質が低すぎてしまえば、そこからフィードバックなどをうけて学習することも難しくなります。 イテレーション*2において、スピードとクオリティの最適なバランスを意識することが重要です。

改善サイクルの加速

80点というのは基本的な部分は作り込まれた状態ですので、ユーザーが試すには問題ない状態です。 素早くリリースすることで、ドッグフーディング*3やユーザーフィードバックを早期に取り入れ、迅速な改善が可能になります。

CallConnectでの改善例

デザインに関する改善をご紹介します。 下記はCallConnectの着信時のフローを設定する「着信フロー」というページです。

上が改善前で、下が改善後のデザインです。
変更したのは、“自動応答ガイダンス ON”のすぐ下にある3つのボタンのデザインです。
当初はボタン感を出すような表現にしていたのですが、改善後はラジオボタンに変更しています。 これは3つのボタンが並列であり、どれか一つが選択されているというフィードバックをより強く明示するという意図があります。

また、細かい部分ですが、改善前の"録音する"のボタンの下には下線が入っており、改善後の"この場で録音"の下には入っていません。
下線をなくすことによって、すぐ下のコンテンツと選択されたボタンに結びつきがあることが、より直感的にわかるようになったと思います。

着信フローに関しては、リリース後のドッグフーディングによって、ボタンのメリハリが弱いという課題感を感じ、改善しました。

余裕時間の創出と活用

早期リリースによって余裕時間が生まれれば、その時間を新機能開発やマーケティングなど、他の重要な業務に充てることができます。

最終的にクオリティが高くなる

リリースして初めて、ドッグフーディングやユーザーフィードバックによって改善点を見つけやすい状態になります。
何より当初100点にすべく長い時間をかけて作ったものも、ユーザーにとっては100点ではない可能性の方が高いです。 素早いリリースを何度も繰り返していくという意識で取り組むことで、当初考えていた100点より良いものができると考えています。

最後に

私も以前広告制作会社にいた際は、締め切りのギリギリまで時間をかけて、1%のクオリティをあげるのに多くの時間を使っていました。

しかし、自社開発においては、一定以上のクオリティに達した際に、迅速なリリースによって、ユーザーへの価値提供と改善を早く回すことができます。
今後も適切なスピードで開発・デザインを続け、より良いサービスを提供できるように心かげていきます。

*1:https://kaigoyouhin1.com/sigotonodekiha80ten/

*2:一連の工程を短期間で繰り返す、開発サイクルのこと

*3:自社サービスを社内で日常的に使用することで、使い勝手や問題点を把握する施策