
こんにちは、牧です。
近年で話題になっているAIエージェントを使用したコールセンターでの電話運用について、開発担当として注目する機会も増えてきました。
今回の記事ではコールセンターがどのようなAI技術に注目し業務効率化やUX向上を図っているかを示し、消費者の感じる品質との対比からどういった課題や方針が効果的であるか、考えたところを記します。
AIを話者とする取り組みについて
AIによる自働化が進み、最近では有人・IVR*1に次ぐ話者として認識されてきました。
各コールセンターへの導入が進む中でも、コールリーズンによって何が最適かという基準は異なります。
例えば、飲食店に入店するための順番待ちに電話を使うケースでは、順番のステータスがリアルタイムで得られれば良いため、AIのようなブレークダウンは必要なく、発信用に設定された機械音声やプッシュ操作の提供が効果的な運用となります。
同じ飲食店でも、目的が入店後のオーダー受けや提案にも期待した音声対応である場合は、AIの需要が高まるはずです。
一方、AIで取り扱える幅が広がっていっても難しい課題、会計処理をはじめとする重要な意思決定や人の安全に関わるオペレーションについては有人対応が適しています。
電話においてAIの活用がどれだけの価値を発揮するのかについては、業務内容や業務フローによって判断しなければなりません。
業界における一部のシステムでは、ACD*2の機能にAI音声エージェント(AIで生成された応答文を機械音声で読み上げて擬人化したもの)を組込み、コールリーズン(電話の用件)による自動振り分けを行うものがあります。
また、コールセンター白書2024*3のデータによれば、コールセンターはSV*4の負担軽減を目指している一方で、コストが最重要とはされにくいようです。
こうした傾向がマッチしたコールセンターの場合、自働化によってオペレーターを減らしSVのメンバー比率を上げるという、容易ではない成果を求めるようになります。実際にAIを自動応答や教育に使うことで、運用と品質の安定につながるのではないかと希望を持つ企業も増えてきたのではないでしょうか。
オペレーターやSVの習熟過程とは真逆の構図が、AIが加わったことでコールセンターに求められることかもしれないのです。
消費者が期待していること
一方で、消費者が求めている最優先の課題は「求めたことへの回答」、次いで「ホスピタリティ(親身な対応)」となっていました(コールセンター白書2024より)。
これらの指標は、コールセンターがACDやAI音声エージェントを採用する判断基準になっていません。
コールセンターがACD やAI音声エージェントの導入を進める主要因は「人手不足」対策であり、AIの活用以外でも呼量削減への取り組みが見直されているようです。 消費者視点の品質向上は、従来に引き続きその次のフェーズに置かれているケースが多いように見受けられます。
私個人が消費者だとした場合は、適切に品質のコントロールがなされてほしいので、呼量削減が第一であると感じます。
AI音声エージェントの呼量を維持したとしても、消費者の基準次第で二次対応の発生率・分量が増大するかもしれず、運営に余力をもたらすファクターになるとは限りません。 また、AI音声エージェントでは苦手となりやすい説明の簡略化や強弱、例外的で柔軟な判断が不足するおそれもあります。
結果として、電話対応を完了しても不満が表面化しない・顧客満足度は上がらないといった事象も想定しなければならなくなります。
ACDやAI音声エージェントの活用技術が進歩することをただ待つのではなく、セルフサーブ*5を促すドキュメントの作成や、そうした補助コンテンツへのナビゲーションなど、バックグラウンドを整えておくことが目先の対応として確実なものだといえるでしょう。
今後について
コールセンターの設置理由に必ず挙げられるUXの改善ですが、そのためには質のコントロールよりも先に呼量のコントロールが必要な段階だと考えられます。 また、コールリーズンを正しく分析できることが、AI音声エージェントのみならず有人対応においても顧客満足度の向上につながる重要なポイントとなります。
弊社で提供するCallConnectはこうしたリソース面や振り分けの不安から脱却した上位ニーズを意識して設計されており、留守録はなく、待ち呼・キューイング(音楽などを鳴らしながら応答まで待機する機能)もProプラン以外では提供していません。
直通で電話が鳴る仕組みをオンラインで構築できます。 もちろんIVRや転送機能も継続して提供していきますが、できればそういった機能を不要とする状態が最も電話本来の価値を発揮しやすいと考えております。
シンプルな機能提供により、実際に通話や業務の質をコントロールしやすくなったと実感していただければ幸いです。
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